百花繚乱

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「黒咲藍」エンターティメント見聞録 -短編・随筆・コラム-

 「MAROON5と我が愛しのAdam Levineをかくも情熱的に語れるのは世界中探しても自分以外にいるわけがないと盲信している傍から見ればやや痛い女の私」
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 初めて彼らに会ったのは当時通っていたジムである。無論実際に遭遇したわけではない。その頃の私は、今考えれば何故?どうして?と頭の中が疑問符でいっぱいになるほどのトレーニング狂であった。

 屋内で必死に進まない自転車をこいだり、ゴールの見えないランニングをしたり、アンチアウトドア派にもかかわらず山道を意味もなくインターバルをつけて登ったりしていると、私の心は無になった。というよりも自慢の頭が全く回転しなかったというほうが正確だろう。

 何も考えたくなかったし、そうするつもりもなかった。

 

 はてなだらけの有酸素運動のお供は、いつも決まってMTVだった。

 邦楽に比べて洋楽の歌詞は、言葉の意味を考えずに済む。英語のリスニングは苦手ではないが、[Hey Yo!]だの[Oh! Baby]だの[Yeah!]だのにあえて反応する必要はないし、母国語以外の言葉というのは、聞こうとしなければ聞き流せるものだ。

 マシンに備え付けの画面の中では、ビルボード・チャート上位の曲のPVが流れていた。私は[ This Love ]の人たちはいいと思った。

 その頃ジムのある渋谷では、街中にその曲が流れていて、行き帰りの道々で何度も聞くうちに自然と覚えてしまったのだ。[ This Love ]の人たちが画面に現れると、聞き流しタイムは口パク・カラオケ・タイムへと一変した。

 その曲に合わせて不毛な階段上りをすると、心なしか消費カロリーが上がったような気がした。

 同様にして、私は[ She Will be Loved ]の人たちも好きになった。心地よいメロディーの[ Sunday Morning ]を歌う人たちも私は贔屓にした。

 

 この3つのグループが全く同一のもので、栗色5というけったいな名前を冠しているのを知ったのは随分あとのことである。  (つづく)

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